ALL YOURSというアパレルブランドを手がける木村昌史さん。シンプルな服なのに、他のアパレルブランドと一味違う、とがった個性を持っている。全6回にわたりその秘訣をゆるくレッスン。
▼第1回目はこちら
とがる、とは「生き方をも変える新しい選択肢を見せること」
▼第2回目はこちら
とがることとブランディング「洗練されていればいいってわけじゃない」
▼第3回目はこちら
「とがる」商品づくり
▼第4回目はこちら
「とがる」ブランドメッセージの作り方
▼第5回目はこちら
とがることとコミュニティづくり
僕が手がけているブランド、ALL YOURSの経営理念は、「当たり前を当たり前にしない」。
社会の、業界の、そして自分たちの当たり前を疑おう。世の中のなんとなく決められたルールを疑うことが、とがることにつながっていくのです。決して、「人と違うことをやろう」ではありません。
例えばALL YOURSの水をはじくコットンパーカー、ONE SWINGは、なんとなく当たり前についている、パーカーのフードを「なんでついてるんだ?」と疑うことから始まりました。調べてみたらスコットランドの漁師が雨風をよけるために使っていたものだったんです。それが形骸化して、なんとなくついているのが当たり前、というものになっていたんです。だからその機能をもとある場所にもどした。リプレイスですらなく、元にもどしただけなんです。
このパーカーのフードのように、自分や周りの人がなぜあるか理由を答えられないものや、違和感のあるものは疑ってもいいんですよ。社会にあふれている多くのプロダクトやビジネスは、経営や運営都合のルールが正義とされていて、さらにそれが理由を答えられないくらい形骸化しているんです。だから、その当たり前を疑うだけで、とがることができるんです。
もしこれを読んでいるあなたが「とがりたくても、とがれない」と思っているなら、ふと疑問に思うことや、なぜそうなっているのか答えられないようなことを疑ってみてはどうでしょう。とがりたいかどうかさえ、疑っていいんですよ。
木村昌史
住所:東京都世田谷区池尻2-15-8