ALL YOURSというアパレルブランドを手がける木村昌史さん。シンプルな服なのに、他のアパレルブランドと一味違う、とがった個性を持っている。全6回にわたりその秘訣をゆるくレッスン。
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とがる、とは「生き方をも変える新しい選択肢を見せること」
カッコよくすることがブランディングだというのは、多くの人が持っている誤解です。だから、とがっていればブランディングになるというわけではありません。
僕は、お客さんとのコミュニケーションでALL YOURSのブランディングをしていると思っています。オンライン、オフラインを問わず、どういうコミュニケーションをとりたいかがブランドを形作るのです。そしてそれは洗練されていたり、ラグジュアリーなことが必ずしも正しいというわけではありません。
例えば、リッツ・カールトンで提供されているようなサービスだけではなく、吉野家で提供されているようなサービスを心地よいと感じる人もいます。あんまり気を使わないというサービスもあると思うんです。僕はその中でも、ほどよく雑な付き合い方をいいなと思います。
具体的な例をあげると、ALL YOURSの店舗では接客マニュアルがありません。ルールはただひとつ、「自分だったらどうされたいかを考えて接客する」。自分が気持ちよいと思うサービスをつきつめて、やりたくないことはやらない。それを徹底したら自ずと他のアパレルブランドと差別化ができるようになった。それが僕らのブランディングにつながっているのです。
木村昌史
住所:東京都世田谷区池尻2-15-8